• 2024/02/02
  • 理学研究科
  • 受賞?採択
受賞者
理学研究科  准教授 小手川恒、教授 藤秀樹、教授 菅原仁
受賞日
2024年1月20日
受賞名
日本物理学会第29回論文賞
業績名
Superconductivity of 2.2 K under Pressure in Helimagnet CrAs

概要

量子臨界現象は、物性物理学における中心的な話題の一つで、最近では新しい電子自由度による量子臨界現象に注目が集まるなど、研究が継続して進んでいる。本論文では、ヘリカル磁性体として知られているCrAsについて、比較的低い圧力の印加で磁性相が消失し、起伝導状態が発現することが始めて報告された。クロム系物質として、超伝導の発現が観測された最初の例であり,ヘリカル磁性との相境界で現れる超伝導という点でも興味が持たれる結果である。この成果は、純良結晶の作成と緻密な圧力下電気抵抗測定の結果に基づいている。データの質は極めて高く、明瞭な圧力?温度相図が示されたことも本論文の価値を高めている。また、鉄系超伝導などの非従来型超伝導と相図の類似点が示された一方で、電子状態の次元性には他の超伝導物質と違いがあり、その後の超伝導物質探索や量子臨界現象に関する研究の展開を促進するきっかけになっている。実際に、類似の磁気構造を有するクロムおよびマンガン系化合物においても圧力誘起超伝導が発見され、CrAs に関しては、圧力誘起超伝導が非従来型であることや、準線形的な磁気抵抗を示すなどの新たな性質も明らかになった。これらは、量子臨界現象の研究において特筆すべき成果である。以上のことから、本論文は日本物理学会論文賞にふさわしいと考えられる。

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関連サイト

(理学研究科、研究推進課)